シチズン・デベロッパーが使いやすいツール Xojo

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Xojoがフォーカスしている1つの開発者像として「シチズン・デベロッパー」があります。日本ではなじみのない言い方ですが、プログラマーのような開発専門職ではなく、必要に応じて時々コーディングを行うといったイメージです。例えば社内システム担当者であったり、業務担当者の中でコーディングに興味がある方であったりします。

今回インタビューさせていただいた三陽社メディア開発室の田嶋様もそういった「シチズン・デベロッパー」としてXojoを活用されています。業務の中でどのようにXojoを使っているのか、詳しくお話を伺いました。

Xojoを使って開発したアプリ情報

  • 電書協形式EPUBオーサリング
    InDesignなどのデータから作成したXHTMLファイルや画像ファイルを元として「電書協ガイド」準拠のリフロー型Epubを作成するツール。
    プラットフォーム:Macのデスクトップアプリ
    開発期間:約2か月
  • OMUSUBI EPUBMAKER
    画像データをフィックス(固定版面)型Epub形式に変換するツール
    開発期間: 約2か月

はじめに三陽社様について教えてください

三陽社は印刷会社になります。印刷は大きく分けて出版印刷と商業印刷に分けられるのですが、当社は出版印刷を専業に行っております。そのため、出版社各社からデータをお預かりしており、最近ではそれらを電子書籍にするといった仕事が増えています。
(画像:三陽社の制作実績より抜粋▶ )

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その電子書籍への変換においてXojoが使われているのでしょうか

業務担当者が使っているEpubオーサリングソフトウェアでXojoを使っています。といっても難しい使い方ではなく、Perlスクリプトを呼び出すためのGUI作成用として使っています。業務担当者にとってGUIがあるかどうかは大きな問題で、生のPerlスクリプトをそのまま使うのは難しいです。そこで入力する値を適切に設定したり、バリデーションを行ったりするためにXojoでGUIを作成しました。

(▼ 上:EPUB作成時の作業工程イメージ図、下:電書協形式EPUBオーサリングの画面)

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元々AppleScript StudioでUIを作っていたのですが、何年も前に開発が終了しています。AppleとしてはObjective-Cに移行して欲しかったようなのですが、一気にハードルが高くなってしまいました。普段からプログラミングを行っている方であれば良いのかも知れませんが、時々しか行わないような当社のような環境にはマッチしません。

さらに現在ではObjective-Cすら古く、Swiftへの移行も求められています。Swiftすらどんどんバージョンアップが行われており、追従するのは大変です。そういったAppleなどOSデベロッパーの都合に左右されずに開発できるのがXojoの魅力だと思います。

他にXojoを使っているものがあれば教えてください

「OMUSUBI(おむすび) EPUBMAKER」というMacアプリを開発し、フリーウェアとして「三陽社メディア開発室サイト」に公開しています。これは主にコミックなどで使われているフィックス(画像固定)型ePubが作成できるソフトウェアです。一連の画像から電書協EPUB3制作ガイドの仕様に沿った形でEPUB3コンテンツを生成するもので、論理目次の作成も可能です。これまでに累計800件ほどダウンロードされています。この手のツールはWebサービスとしては数多くあるのですが、大きな会社などでは社内規約でコンテンツデータをクラウドなど外部のサーバにアップロードできないケースも多いようで、そういった会社で使ってもらっているのかなと想像しています。

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Xojoを使ってみていかがでしょうか

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それほど苦労はせずに使い始めた感じはあります。 Xojo IDEは画面を作る部品(UIコントロール)に各パートのコードがぶら下がる形で作れるのは分かりやすくて良いと思います。EPUBオーサリングツールは元々AppleScript Studioで作っていたものの移植なのですが、1〜2ヶ月程度で移行できて、見た目もそれまでのものと殆ど変わっていません。業務担当者も違和感なく使いこなせています。

私の場合、元々知り合いがXojoを使っていてお勧めされたのがきっかけですが、DTPを使っている人で興味を持っている人もいます。それまでスクリプトでやっていたことをGUI付きにできると使い勝手が全く変わってくるので、そういった使い方が良いと思います。

Perlスクリプトと組み合わせる使い方はいかがでしょう

元々Perlを使っているのはテキスト処理が楽だからという点にあります。また、資産としてのPerlスクリプトがあったので、このロジックをXojoに移行せず流用しました。スクリプトは書けるけどGUIを作るのは難しいという人は多いと思います。スクリプトだけだとどうしても使用者の間口は狭くなってしまいます。そういった時にXojoで簡単にUIが作れるのは利用者のハードルを下げる意味で利点が大きいはずです。

私はVBAをほとんど触ったことがないのですが、文法的にはVBAに似ているようなのでExcel VBAなどからの乗り換え需要はあるのではないかと思います。Excel VBAで開発するのに比べるとXojoを使った方が今後の汎用性もありますし、使い勝手が良いんじゃないでしょうか。

Xojoに期待する点はありますか

今のところ開発予定はないですが、Android対応に注目しています。あとは日本語ドキュメントをもっと充実させて欲しいですね。それから、私たちのように一年に数回しか開発しない人向けに安いプランがあると良いなと思います。

―― 田嶋様、本日はどうもありがとうございました。

田嶋様にお話を伺って…

今回お話を伺った田嶋様は一年に数回、必要に応じてコードを変更するという、まさに「シチズン・デベロッパー」と言えます。そうした方々にとって大事なのは、数ヶ月経っても編集すべき部分がすぐに分かること、さらに言語体系が以前と変化していないことになるでしょう。コードがいわゆる “スパゲティ” になりやすかったり、数ヶ月おきに作り直ししたりでは意味がありません。

また、スクリプトとGUIに大きな隔たりがあるというのも納得できる点です。XojoであればスクリプトとGUI、どちらのプラットフォームでも簡単に、共通のコードで対応できます。まさにXojoの利点と言えるのではないでしょうか。

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株式会社 三陽社様 企業情報

昭和24年から一貫して書籍の組版、印刷に力を注いでいる老舗の印刷会社。高度な印刷技術が各出版社から高く評価され、制作書籍は1万点を超える。また、索引作成システムをいち早く導入し、編集作業における作業負担を飛躍的に軽減するなど常に技術研鑽に取り組んでいる。

現在は、電子出版という新たなプラットフォームにおいて、一般利用もできるツールを無料公開するなど創業時代からのチャレンジ精神を持ち続けている。

印刷・製本のことなら。自費出版・電子書籍化にも対応可能 | 株式会社三陽社

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